フラクタス・ハルモニア™|設計の断片 01
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01|月に刻まれた、ひとつの数字。
月の大きさに目を向けると、ひとつの数字が現れます。
≒ 2160 miles
月の直径は、約2160マイル。
より正確な値では約2159マイルですが、その輪郭には、2160という数字が静かに重なります。
月を見上げているだけでは、その大きさを実感することはできません。
けれど数字へ置き換えた瞬間、そこにひとつの輪郭が現れる。
2160。
そして、この数字はまったく別の場所にも現れます。
正立方体を構成する、六つの正方形。
ひとつの正方形の内角の総和は360度。
六つすべてを合わせると、
2160°
になります。
月の大きさ。
幾何学。
本来なら、互いに関係のない尺度です。
それでも、そこには同じ2160という数字が現れる。
もちろん、数字が一致したというだけで何かを断定することはできません。
私たちが興味を持ったのは、数字そのものよりも、
異なる世界の中に、同じ構造が現れているように見えること
でした。
そして私たちは、その2160を音の世界へ置きました。
2160Hz
フラクタス・ハルモニア™における、ひとつの基準となる周波数です。
2160 miles。
2160°。
2160Hz。
月から、幾何学へ。
幾何学から、音へ。
異なる場所にあったものをひとつの数字を通して重ねてみる。
そこから、月輪|つきのわの調律は始まりました。
ただし、
ここで大切なことがあります。
2160Hzを鳴らしたからといって、それだけでフラクタス・ハルモニア™になるわけではありません。
2160という数字に特別な意味を与えているわけでもありません。
私たちにとって2160は、
答えではなく、入口。
あるいは、
音を組み上げるための、ひとつの座標。
そこから一定の規則に従い、次の音が導かれていきます。
ひとつの音。
その隣に置かれる音。
二つが重なったときに生まれる響き。
さらに、その先へ。
そうして少しずつ、ひとつの音の世界が形になっていきます。
月輪|つきのわで聴く響きは、「月をイメージして選んだ音」を並べたものではありません。
月という存在を入口に、
数。
比率。
幾何。
そして音。
それらをひとつずつ辿りながら、響きへ変換していったものです。
だから私たちは、この作品をつくりながら、
「月を表現している」というよりも、
月の中に見つけた秩序を、音として聴いている
ような感覚を持つようになりました。
それを、
月の調律
と呼べるのかもしれません。
まだ、すべてをお話しすることはしません。
2160の先には、もう少し深い設計があります。
ただ今日は、
その最初の一点だけをここに置いておきたいと思います。
2160 miles|2160°|2160Hz
月の音は、ここから響きはじめます。
九つの響き
理論の先にある響きを、実際の音で。
月輪|つきのわ「九つの響き|全曲プレビュー」



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