月食|げっしょく
- 2 日前
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月輪|つきのわには、九つの楽曲とは別に、もうひとつの音があります。
月食|げっしょく
一曲目「月輪」をもとに、新たな響きを重ねた特別な一篇です。
同じ音。
同じ流れ。
けれど、そこにひとつの脈動が加わることで、それまで見えていなかったものが静かに輪郭を持ちはじめます。
月輪|つきのわの音楽には、表面からはほとんど感じることのできないひとつの時間が流れています。
音の高さだけではなく、音と音のあいだにも。
響きだけではなく、その響きが生まれる時間にも。
目には見えないひとつの秩序を置きながら、それを意識させないようにつくりました。
けれど《月食》では、その奥に隠れていた時間がほんの少しだけ姿を現します。
まるで、いつもそこにあったものが影によって初めて見えるように。
月食もまた、不思議な現象です。
月が消えるわけではありません。
太陽の光と月とのあいだに、地球の影が重なる。
ただ、それだけ。
けれど影が現れることで、私たちは普段意識することのない太陽と地球と月の関係を目の当たりにします。
影によって、見えなかった構造が見える。
そう考えると、《月食》という音にこの名前を与えたことにも、今になって少し違った意味を感じています。
2026年8月28日。
実際の月も、部分月食を迎えます。
今回、その姿を日本から見ることはできません。
見えない。
けれど、起きている。
それもまた、月らしいことのように思えます。
私たちが見ていない場所でも、月は静かに巡り続けています。
音楽も同じなのかもしれません。
聞こえている音の背後に、聞こえていない秩序がある。
感じている時間の奥に、もうひとつの時間が流れている。
すべてを知る必要はありません。
むしろ、知らなくてもいい。
ただ音に身を委ねたとき、身体のどこかがその秩序を感じ取っている。
そんな音楽を、私たちはつくりたいと思っています。
光。
影。
音。
沈黙。
そして、そのすべてを運んでいく時間。
月は何も語らず、そのすべてを映しています。
8月28日。
見ることのできない月食の向こう側へ、少しだけ耳を澄ませてみてください。
そこにはもしかすると、いつもは聞こえない月の脈動が響いているかもしれません。
月食|げっしょく
「月輪|つきのわ」早期購入特典としてお届けしている特別音源です。



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